「昨日のドラマ見た?」「ううん、見れなかったよ」
「これ食べれる?」「うん、食べれるよ!」
街中でよく耳にする会話ですが、このような使い方は誤りです。いわゆる「ら抜き言葉」といわれるもので、正しくは次のように表現します。
(誤)「ううん、見れなかったよ」
(正)「ううん、見られなかったよ」
(誤)「これ食べれる?」
(正)「これ食べられる?」
(誤)「うん、食べれるよ!」
(正)「うん、食べられるよ!」
ら抜き言葉の使用は、自分への評価が下がったり、聞き手が不快に思ったりする場合があるので注意しましょう。
何でも「ら」を付ければよいというわけではない
ら抜き言葉を使わないように注意しすぎると、何でも「ら」を付けてしまいがちです。「ら」を付ける語もあれば、「ら」を付けない語もあります。
使い分け方は簡単。動詞を「~しよう」という形に言い換えた時に、
「~よう」に言い換えられれば「ら」を付ける
「~ろう」に言い換えられれば「ら」は付けない
と覚えましょう。
例えば、前述の「見る」は、「見よう」に言い換えられます。「見ろう」とは言いませんよね。よって、「ら」を付けるので「見られる」と表現します。同じように、「食べる」は「食べよう」に言い換えられるので、「ら」を付けて「食べられる」と表現します。
「走られる」と「走れる」はどちらが正しい表現でしょうか。~ようを付けると「走よう」、~ろうを付けると「走ろう」になりますので、「走れる」が正しい表現ということになります。
「ら」を付ける表現例
- 起きる(起きように言い換えられる)
○…起きられる、×…起きれる - 信じる(信じように言い換えられる)
○…信じられる、×…信じれる - 着る(着ように言い換えられる)
○…着られる、×…着れる
「ら」を付けない表現例
- しゃべる(喋る)(しゃべろうに言い換えられる)
○…しゃべれる、×…しゃべられる - 眠る(眠ろうに言い換えられる)
○…眠れる、×…眠られる - 切る(切ろうに言い換えられる)
○…切れる、×切られる
次の表現、どっちが正しい?
- 開けられる、開けれる
- 座られる、座れる
- 走られる、走れる
- 登られる、登れる
- 入(はい)られる、入(はい)れる
- 出られる、出れる
解答
- ○…開けられる、×…開けれる
- ×…座られる、○…座れる
- ×…走られる、○…走れる
- ×…登られる、○…登れる
- ×…入られる、○…入れる
- ○…出られる、×…出れる